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アストン・ヴィラの本拠地ヴィラ・パーク

ヴィラ・パーク訪問記 — “ビジット・ルワンダ”が付けた球団史上最高額374億ウォン

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サイト運営者が直接執筆するプロスポーツマーケティングインサイト2026-09-06 · 閲覧 257
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目次 · 読了時間 約9分
  1. グッズ(MD)と広告インベントリー
  2. 観客とチケット
  3. 空間活用とF&B
  4. 放映権と財務
  5. 地域経済効果
  6. スタジアムならではの象徴
  7. KBO・Kリーグとの比較
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ヴィラ・パークの航空写真(2023年8月)

ヴィラ・パークの航空写真(2023年8月)。出典: Wikimedia Commons(Arne Müseler撮影) · ライセンス: CC BY-SA 3.0 DE

この夏の移籍市場を追っていたところ、思いがけない組み合わせの名前が二つ並んで目に留まりました。

バイエルン・ミュンヘン所属の金玟哉選手に、アストン・ヴィラが二度にわたって接触を試みたという報道が出たのです。

8月のミュンヘンとのアジアツアー親善試合の後、クラブが改めてエージェント側に連絡を取ったという続報もありましたが、ヴァンサン・コンパニ監督の信頼が厚く、結局移籍は成立しませんでした。

関心止まりで終わったニュースでしたが、おかげで久しぶりにアストン・ヴィラというクラブをマーケター目線で見直すことになりました。

実際に調べてみると、目に留まったのは移籍市場ではなくユニフォームの胸元でした。

7月14日、クラブが新しいユニフォームスポンサーを発表したのですが、相手は企業ではなく国でした。

東アフリカ・ルワンダ政府観光庁、「ビジット・ルワンダ(Visit Rwanda)」です。

グッズ(MD)と広告インベントリー

ビジット・ルワンダは2026-27シーズンからアストン・ヴィラのフロント・オブ・シャツ(ユニフォーム胸元)スポンサーの座に就きました。

ボーナス条件を満たせば年間最大2,000万ポンド(約374億ウォン)を受け取る契約で、クラブはこれをクラブ史上最大規模のスポンサーシップ契約だと自ら紹介しています。

興味深いのは、市場調査機関が算出したこの枠の「適正市場価値」は、実際の契約額よりむしろ高い2,620万ポンド(前シーズンの2,320万ポンドから上昇)だという点です。

実際の契約額が市場価値を下回っているということは、裏を返せばこの枠にさらに高い金額を提示するスポンサーが今後現れる余地がまだ残っているということでもあります。

ユニフォームの袖スポンサーの座はオンライン賭博企業ベタノ(Betano)が年間600万ポンド(約112億ウォン)で獲得し、ユニフォームを製造するキットサプライヤーは2024-25シーズンからアディダスに変わりました。

契約規模は年間1,700万ポンド(約318億ウォン)で、以前のキャストア(Castore)との契約(年300万~400万ポンド)の4倍を超える飛躍です。

キャストアは選手たちから、汗をうまく吸収しないいわゆる「ウェットルック」ユニフォームで不満を買っていた企業だったため、アディダスへの切り替えは単なるスポンサー交代以上に、選手の待遇問題とも絡んでいました。

奇しくもオーナーのナセフ・サウィリス氏がアディダス株を約7パーセント保有している点も、業界内で併せて語られる背景です。

2026年7月14日に公開された「ビジット・ルワンダ」スポンサーユニフォーム

2026年7月14日に公開された「ビジット・ルワンダ」スポンサーユニフォーム。出典: アストン・ヴィラ公式ホームページの報道写真

観客とチケット

2025-26シーズンのヴィラ・パークの平均ホーム観客数は41,969人でした。

最多は昨年12月21日のマンチェスター・ユナイテッド戦の43,157人、最少はヨーロッパリーグのマッカビ・テルアビブ戦の29,429人でしたが、この最少値はアウェイ観客制限など大会特有の事情が反映された数字のため、リーグ戦の集客とは別物として見るべきです。

2026-27シーズンの大人用シーズンチケットは19試合ベースで703~997.5ポンド(約131万~186万ウォン)、チャンピオンズリーグのグループステージ4試合を含む23試合パッケージは969~1,297.5ポンド(約181万~242万ウォン)と、5パーセント値上げされました。

それでも2026-27シーズンのシーズンチケットはすでに完売し、現在はウェイティングリストでのみ申し込みを受け付けており、このウェイティングリスト自体が今年4月にクラブ史上初めて開設されたものだといいますから、需要が供給を上回るという珍しい局面にあるわけです。

空間活用とF&B

ヴィラ・パークは現在、ノーススタンドをまるごと建て替えている最中です。

2026年3月に着工し、2026-27シーズンの間ずっとノーススタンドを閉鎖したまま(この期間の暫定収容人数は約3万7千人まで減ります)、2027-28シーズン開幕前の完成を目指しており、完成すれば6,537席だったノーススタンドが12,516席まで増え、スタジアム全体の収容人数は4万3千席前後から5万席超へと拡大します。

建設費のうち1億ポンド(約1,870億ウォン)規模の第1段階の工程が最近完了したとの知らせが伝えられています。

観戦体験の面では、昨年のクリスマス頃にオープンした「ザ・ウェアハウス(The Warehouse)」が目を引きます。

米国のライブエンターテインメント企業オークビューグループと組んでノースグラウンド跡地に作った3,500人規模の多目的スペースで、試合がある日は座席の有無にかかわらずチケット保有者なら無料で入場できるプレミアリーグ最大規模のビアホールに姿を変え、試合がない日にはコンサート・イベント専用スペースとして運営されます。

サッカー場一つにとどまらず、マッチデー前後の時間まで収益スペースとして取り込もうとする典型的な空間多角化戦略で、海外サッカー旅行記を専門に書くあるブロガーは、ヴィラ・パークのトイレなどの設備が「十分ゆとりを持って出入りできる規模」だと書き残しており、こうしたインフラ投資が実際の観戦体験にもつながっているという印象を受けました。

放映権と財務

2024-25シーズンのアストン・ヴィラの総収益は3億7,800万ポンド(約7,090億ウォン)でクラブ史上最高を記録し、直近3年でプレミアリーグ最速の収益成長だという評価を受けました。

チャンピオンズリーグ出場の効果が大きく、放映権収益は1億8,400万ポンドから2億4,100万ポンドへ31パーセント増、商業収益は6,000万ポンドから9,100万ポンドへ52パーセント、マッチデー収益は2,800万ポンドから3,840万ポンドへ37パーセント伸びました。

観客一人あたりの平均マッチデー売上も25.1ポンドから32.4ポンドへ増え、この実績を追い風にデロイト・マネーリーグ(売上高基準の世界サッカークラブ順位)の順位も21位から14位へ上昇しました。

地域経済効果

バーミンガム市は、ノーススタンドの再開発が完成すれば年間25万5,580人の追加来場者と、地域経済に年間1,300万ポンド(約243億ウォン)規模の追加効果をもたらすと試算しています。

拡張後のヴィラ・パークが2028年欧州サッカー選手権(ユーロ2028)の開催会場に決まったことも、この試算に説得力を与える要因です。

地域社会との関わりでは、クラブ傘下のアストン・ヴィラ財団が年間3万人以上と接する活動を行っており、このプロジェクトには近隣のアストン大学の研究者も参加し効果を検証しているといいます。

オーナー構成も興味深く、エジプトの富豪ナセフ・サウィリス氏と米国の富豪ウェス・エデンス氏がそれぞれ34.4パーセント、投資会社アテイロスが残りの株式を保有するVスポーツ体制で、2018年にわずか3,000万ポンドで取得した55パーセントの株式が8年で10億ポンドを超える価値に膨らんだ事例でもあります。

スタジアムならではの象徴

1897年の開場以来、ヴィラ・パークで最も象徴的な場所を挙げるとすれば、間違いなくホルト・エンド(Holte End)でしょう。

この土地のかつての地主だったサー・トーマス・ホルトの名を冠したスタンドで、ジョニー・キャッシュの「ゴースト・ライダーズ・イン・ザ・スカイ」のメロディに歌詞を乗せた応援歌「ホルト・エンダーズ・イン・ザ・スカイ」がここで生まれ、今もヴィラ・パークを象徴する歌として残っています。

スタンド外壁のレンガファサードには大きな文字で「ASTON VILLA」と刻まれており、その中央には2008年当時のオーナー、ランディ・ラーナー氏が加えたクラブ創設エンブレムのモザイクが配置されていて、観光バスが通りかかった際にこのファサードだけを撮影していく光景もよく見られるといいます。

ホルト・エンド・スタンドのレンガファサード

ホルト・エンド・スタンドのレンガファサード。出典: Wikimedia Commons(Elliott Brown撮影、2010年) · ライセンス: CC BY 2.0

KBO・Kリーグとの比較

韓国でスタジアムの名前に国名が入っている事例はほとんど見当たりません。

いずれもそのクラブを所有する親会社が自社の名前を付けた例で、ユニフォームスポンサーも大半は親会社や系列会社が務める構造です。

一方、アストン・ヴィラのビジット・ルワンダのように、一国の観光庁がクラブのオーナーとは何の関係もなく、純粋に市場価格を支払ってユニフォームの胸元を買うという方式は、Kリーグ・KBOのどちらにもまだ登場していない形です。

ユニフォームスポンサー一つを取っても、実際の契約額と市場推定価値が別々に存在し、その差自体が次の交渉の根拠として使われる点も、韓国国内の市場とはかなり異なる部分です。

シーズンチケットが完売してウェイティングリストができるほどの盛況も、韓国国内の人気クラブ数チームを除けば、なかなか見られない光景です。

移籍の噂一つから始まり、ユニフォームスポンサーまで掘り下げることになった今回のリサーチで最も印象に残ったのは、築130年近い古いスタジアムでさえ、ノーススタンドを建て替える機会にビアホールとコンサートホールまで加えて、一年中稼働する収益スペースへと作り変えている点でした。

スタジアムを試合のある日にしか使わない施設とは捉えない発想は、国内のスタジアムについて考えるときにも慎重に取り入れるべき視点だと感じます。

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