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2025年初夏。
LAドジャースの本拠地であるダジャース・スタジアムを見て回りました。古い球場だからといって古びているだろうと思っていましたが、実際に行ってみると伝統を守りながらも最新技術を積極的に取り入れている姿が印象的でした。
マーケターの立場からは、この球場が古い資産をどうやって新しい収益につなげ続けているのかが最も気になりました。

ダジャース・スタジアム — MLBで3番目に古い球場
ダジャース・スタジアムは1962年4月に開場した球場で、フェンウェイ・パーク(1912年)、リグリー・フィールド(1914年)に次いでMLBで3番目に古い球場です。
それでも観客席の規模は5万6千席とMLB全体の球場の中で最も大きいです。さらに興味深いのは、この球場が開場以来一度も座席を拡張したことがない点でした。最初に作られた円形を維持しつつ内部だけをリノベーションしてきたわけで、この規模の球場を全額チームの自己資金で建てたという事実にも改めて驚きました。

ダジャース博物館と名誉の殿堂
球場内部にはダジャース博物館と名誉の殿堂がありました。
長年チームを象徴してきたキャスター、ヴィン・スコーリーの実況映像からジャッキー・ロビンソンに関する記録物まで、球団の歴史と伝統を展示でまとめたスペースでした。
華やかな新築球場にはない、古い球団だけが持ち得るコンテンツを観覧動線の中に自然に溶け込ませているという印象を受けました。

DodgerVision — 30人を超える専任コンテンツ制作チーム
同時に最新技術も惜しみなく投入されていました。
リボンボードやメイン電光掲示板、補助電光掲示板まで高画質LEDスクリーンを重層的に配置し、“DodgerVision”という自社ブランドで運用しており、この映像コンテンツをリアルタイムで制作・送出する専任スタッフだけで30人を超えると聞きました。
野球場ひとつのためにこれほどの規模のコンテンツ制作チームを運営するというのは、国内の球団の立場では容易に想像できないレベルでした。
このインフラのおかげで、野球の試合がない日には大型コンサートのような国際イベントも自然に誘致していました。

Dodgers365 — 年間貸出事業
最も目を引いたのは「Dodgers365」という別事業部でした。
名前のとおり、野球シーズンが終わっても球場を年間を通して貸出スペースとして運用し、収益を多角化する組織でした。プレミアムスイートやクラブ、さらにはグラウンドまで、スペースごとにカスタマイズした貸出サービスを提供してコンサートや博覧会などのイベントを誘致しており、球場内にあるスポーツバー「パビリオン」も試合のない日に来訪者を引き寄せるもう一つの収益源として機能していました。球場を「試合があるときに使う施設」ではなく「年間稼働する事業場」と見る発想自体が印象的でした。
まとめ
整理してみると、ダジャース・スタジアムから学べる点は結局、伝統と収益多角化を両立させる姿勢でした。
古い球場だからといってその歴史を隠すのではなく、むしろ名誉の殿堂のようなコンテンツとして積極的に活用し、同時にデジタルインフラと専用事業部を通じてオフシーズンでも球場が休まないようにしていました。
国内の球場も、古い球団であるほどその歴史を観覧コンテンツとしてより積極的に発信し、オフシーズンの貸出事業を専任で担当する組織を整備する方向を真剣に検討する必要があると感じました。

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